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3万人に1人の病気2006年07月22日 23時23分47秒

僕が大学病院で携わって来た仕事の一つに、「日本小児肝がんグループスタディー」のまとめ役、というものがあります。
え?子どもに肝がん?そうなんです。あるんですね。子どもにも肝がんが。現在、日本では毎年約110万人くらいの赤ちゃんが産まれています。小児肝がんの発生は年間30〜40人程度ですから、3万人に1人の病気ということになります。こういったまれな疾患は日本全国でチームを組んで治療して行かないと全体の治療成績が上がらないのです。
僕はこのグループスタディーを8年にわたってお世話させていただきました。うちのクリニックの掲示板に貼ってある昨年11月の毎日新聞全国版は、僕たちのグループの8年にわたる成果を僕が発表した学会の取材記事なのです。
まれな疾患でも大事な疾患であることは間違いありません。誰かがやらなければならない仕事です。年間40人の子どものために、彼ら彼女らが欧米と比較して決して劣った治療を受けないですむように、いや、欧米以上の良い治療を受けられるように。
このグループスタディーは現在、広島大学小児外科に事務局が移りました。新しい治療プランも現在、策定中です。新しい治療方法に関して、あれやこれや、色々と僕は自分なりの考えを広島大学教授にお伝えしていますが、毎回、教授からは丁寧な返事が来ます。
グループスタディーのまとめ役って本当に大変なんです。色々な人が色々な意見を言いますから。でも、広島大学教授は真摯に耳を傾けて下さいます。こんな僕の意見が、どんな形であれ小児肝がんの子どもたちのお役に立てれば嬉しいです。だって、千葉の小さなクリニックにいたって日本全国の子どもたちの治療に貢献できる訳ですから。