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小児科の先生、CIIPSって知ってます?2006年06月26日 20時54分21秒

東京医学社という会社が出版している雑誌に『小児外科』というものがあります。小児外科関連のほとんど唯一の商業誌で、日本中の多くの小児外科医が読んでいるはずです。今月の特集は「Hirschsprung病類縁疾患を学ぶ」です。
うう。。。なんとマイナーなテーマ。でも、これこそが小児外科なんですよね。
Hirschsprung病類縁疾患とは、CIIPSやMMIHSなどのことです。小児科の先生で、この病名を知ってる人、いますか?僕は大学病院を中心に19年間、臨床をやって来て、この疾患を見たのはわずかに5例です。つまり4年に1例ですね。僕が専門とする1万人に1人の病気である小児がんですら、僕は200例くらい診てきました。一方、それが、たったの5例。で、今月号はこの疾患を特集し、また、小児外科医の中にはこの疾患を専門とする先生がいる訳です。
小児外科医は成人の外科医と比較すると、遥かに多くの臓器を手術します。そういう意味では子どもをトータルに広く診ているのですが、こういった非常にマイナーな疾患に対しても全力を注ぐ訳です。
何とも不思議な医者の集団ですよね。「広く浅く」と「狭く深く」を同時に追求している小児外科医。もっともっと世間に広く認知されて、一般の方からリスペクトを得られると嬉しいのですが。あ、ところで、映画『逃亡者』でハリソン・フォードが演じた主人公は小児外科医ですよ!